とある公園。 夜の帳はとっくに下りたころ。
森の中にうごめく、怪しい影がある。
(誰も、いないよね……?)
散歩中であることを装っているその影の元となる人物は、そう思いながらあたりを注意深く見回している。
やがて、森の中心部の、少し開けた場所に到達した。
月明かりに照らされたその人物は、真夜中の散歩にしては不自然な格好を呈していた。
学校の、……おそらく高校のであろう、ブレザーの女子用制服を身に纏っていた。
チェックのスカートの背中側に手をやりながらベンチに座る。
そして、あたりを360度見回して、誰もいないことを確認した。
乱れる呼吸を必死に隠しながらここまで来たその人物は、一呼吸おいて決心する。
スカートの中に手を入れ、自身の履いているショーツを降ろした。
そして、左足の靴だけ脱ぎ、履き口をそちら側だけ外し、靴を履きなおした。
おもむろに立ち上がると、その人物はスカートをたくし上げた。
その一糸纏わぬ股間を、闇夜の空の下にさらけ出した。
自身の頬が、熱くなっていくのがわかった。
熱くなっているのは頬だけではなく、下半身も同様だった。
その人物は、そこに触れるか触れないかの距離で、手のひらを漂わせた。
やがて、もっとも敏感な部分に、指先が触れた。
「ひぅっ!?」
声ともならない声が、あたりに響く。
その、焦らしながらの自慰は長くは持たず、直接の刺激へと徐々に変わっていった。
「いやっ、だめ……。 まだ……。 ふぁっ!?」
のけぞるほどの快感を得ている行動は、遠慮がちに続いた。
「だめ、もう……。 いやぁ! 止まらないよぉ!」
静かに叫んだその瞬間、
「あぁっ! イくぅっ!」
その人物の性器の先から、白濁の液体が舞い散った。

 

 

タイトルなし。 Rev. 2
Copyright 2002, 2005, 2011 ピースケ

 

 

ひとしきり痙攣をした少年は、力なく背後のベンチへとへたり込んだ。
自身の存在を誇張するかのように屹立していたものは、透明な粘液を出しながら徐々に収縮していく。
そのようすをおぼろげに見ていた彼は、徐々に顔を上げた。
「……また、こんなところで……」
そう呟きながら、辺りを見回す。
「……こんな格好で、しちゃった……」
誰もいないことに安堵しながら、ポケットに入れていたティッシュを取り出し、すっかり萎縮してしまった彼の象徴を拭う。
できる限り搾り出した粘液を拭い取り去るが、それはとめどなく溢れてくるので、あきらめてショーツを履いた。
快感の余韻の時間もそこそこに、彼は立ち上がった。 こんなところ、誰かに見られては大変だ、と。
少し歩いたところに立っている時計を見ると、午前二時を少し回った時刻をさしていた。
(こんな時間、さすがに誰もいないでしょ)
そう思い、森の入り口に止めてあった彼の自転車に近づくと、背後から声がかかる。
「そこの、きみっ!」
びくっ、と少年の動きは止まった。
警察の人であろうとも思ったが、いかなる理由でも第三者に接触してはいけない。 彼の心理は、それでいっぱいだった。
(早く、自転車で逃げないと……!)
そう思った彼の目の前に、ひとりの青年が立ちはだかる。
「きみ、昨日もここにいなかったかい?」
少年は、少し固まった後、首を大げさに横に振った。
もちろん、とっさに声なんて出せるはずはなかった。
「おかしいなぁ、確かにきみの顔を、昨日俺は見てるんだよ」
時間と場所、さらには勘すら違っているナンパであろうと、彼は思った。
「ひ……、人違いじゃ、ないですか?」
できる限りの高い声を出そうとした彼だが、それはただ裏声になっただけであった。
「人違いなんかじゃねえよ。 なぁ? 卓也」
「あぁ、間違いねえよ。 昨日、この森の中でオナニーしてた、かわいい子にな」
いつの間にか、少年は前後を挟まれていた。
「あ……、いや……」
彼は考えた。 逃げるには、左右のどちらかしかない。
左に逃げれば植え込みがある。 右は駐車場。
短時間で考えた答えは、右であった。
ばっ、と動いた少年に対して、すばやく左手首を掴んでいたのは、彼の真後ろにいた、卓也という青年だった。
「いやっ! 離して!」
「ふん。 離すわけないだろ?」
そう言いながら彼は、少年の手首を強引に引っ張って顔を寄せた。
「きみの味を知るまでは」
そう、不気味な笑顔で言われた少年は、体が固まった。
その隙に、掴まれている腕を強く引かれ、少年は森の中に舞い戻ることになった。
「ちょっと、いやっ! 離してっ、ください!」
連れられながら少年は、掴んでいる卓也の手を振りほどこうと、自身の腕を強く振る。
しかし、同年代の人と比べて華奢な彼には、それはかなわなかった。
「大声出すなよ。 きみにとっても困るんじゃない?」
「なにがですかっ!?」
もう一人の青年は、少年の頭の上から足の先まで、舐めるように見た後に言う。
「南高でしょ? その制服」
その言葉で、彼ははっとした。
「外でオナニーしてたなんて学校中に知れたら、無事に卒業なんてできるかなぁ?」
さらに、少年は女装である。 卒業どころか、1 か月すらいられないおそれだってある。
そうなれば、おとなしく従うしかない。 そう思った少年は、しゅんとして黙った。
「おい、健……。 あんまりビビらせるなよ」
「おぉ、つい調子にのっちまったよ。 まぁ、悪いようにはしないからよ」
健と呼ばれた青年はそう言い、少年の頭の上に手を乗せ、くしゃっと撫でた。
うっそうと繁る木々の間を、彼の手首を掴んだまましばらく進んできた卓也は、ぴたりとその足を止めた。
「このへんでいいか?」
「あぁ、そうだな」
その返答を受けた彼は、少年の腕から手を離し、その代わりに両肩に手を置いて、優しく地面方向に押しながら彼に声をかける。
「はい、座って」
なす術もないといったように少年はそれに従い、芝生の上にぺたりと座りこんだ。
従順な少年を見た卓也は、自身のズボンに手をかけた。
「それじゃ、手始めに」
そう言い、チャックを下して中からモロンと彼の象徴を出した。
「こいつを立たせてもらおうか。 きみの口で」
それを近づけられた少年は、その独特なにおいで鼻腔を突かれ、少しえずく。
彼が躊躇していると、卓也は彼の鼻とあごに手をかけた。
「ほーら。 あーんってする」
鼻をふさがれた少年は、とっさに口呼吸のために口を開いてしまった。
それを見逃さなかった卓也は、まだ縮こまっているモノを彼の口に押し込んだ。
「じゃ、気持ちよくしてね」
口にそれが入ったまま、少年は少しの間ためらったが、観念したように舌を動かし始めた。
「おぉ、いいぞ……」
だんだんと、口の中で膨張していく。
「おっと、歯が当たって痛いぞ。 「ほ」の形に口を作って」
言われるがまま、少年はそうした。 そして、前後に顔を動かし始めた。
「くぁ……っ! すげぇいいっ!」
じゅぷっ、じゅるっ、という音が響く。
少年は、自分の動きで彼を感じさせているようすを見て、本当に自分が女になったような錯覚を覚えた。
「んん……っ、ふぅ……」
彼の鼻からも、淫靡な吐息が漏れる。 ぎこちない舌の動きで、卓也のモノにぬるぬると絡めていく。
「あぁっ、くそっ! ちょっとタンマ!」
彼はそう言いながら、少年の口からモノを引き抜く。 じゅぽんっ、という音がした。
彼の口の周りは、唾液でべとべとになっている。 目は、いままで慰めていた、粘液でテカったモノを、とろんとした目で見つめていた。
「いい表情だね。 次はこっちをお願いするよ。 ……えーっと、名前は?」
健が感想を述べつつそう問うと、少年は少し悩んだうえ、
「……伊藤です」
「下は?」
「……さやか、です」
同級生の名前を出した。
「ふーん……。 じゃあ、はい。 舐めて、さやかちゃん?」
健の象徴は、先ほどの行為を見ていたので、すでにギンギンになっていた。
差し出されたそれを、さやかと名乗った少年は躊躇なく咥えた。
「おぉ……っ、本当にうまいな……。 きみ、初めてじゃないだろ?」
彼は、口にモノを含んだまま、小刻みに首を横に振った。
「マジかよ……。 ツボ掴んでんな……」
その間に、卓也はさやかの背後に回っていた。
「じゃ、俺は先にいただくよ。 いいだろ? 健。 俺が最初に見つけたんだし」
「おぅ、今回は譲るよ」
中心の彼は、少し遅れてその行為の意味を理解した。
「ひゃっ! ひょっとまっれ!」
「ん? なに? 初めてなの?」
それはそれで、そうだけど……。 そう思いながらも、口から健のモノが外れていたさやかが続ける。
「あ、の……。 実はボク、男、……なんです」
言いきった彼は、しまった、と思った。
女をレイプしていると思っていたはずなのに、実は男にフェラチオをされた、この状況。
逆上して暴行されてもおかしくはないはずである、と。
「……は?」
健は、呆けたようにそう言う。
「いや、……え?」
卓也も困惑している。
しめた、今のうちなら逃げられる。 そう思った瞬間、さやかの履いているショーツに手が掛けられた。
「なに? 改まって」
そう言いながら、掛けた手を卓也が降ろした。 さやかの象徴は、ひっかかった腰ゴムが外れ、ぷるん、と揺れた。
「いや、知ってるし。 ほら、続けて」
そう言った健は、粘液で濡れたモノの根元を指先でつまんで、さやかの口元に向けた。
ヤバい。 ホモだ。
彼はそう思った。 事態の収拾を図るどころか、最後までされる確約が、今この時点で取れてしまったのである。
混乱している彼の口に、健のモノが差し込まれる。
卓也はごそごそ後ろでした後、さやかの背後に戻る。
そのとき、冷たい感触を感じた。
「ふゃん!?」
「ここは開発済み?」
そう言いながら、卓也はローションを付けた指で、彼の菊門に指を出し入れする。
「…………っ!」
「痛がらないってことは、おもちゃとか入れてたんだね?」
「…………」
さやかは、無言でうなずいた。
「じゃあ、話は早いや」
そう言い、卓也は彼の穴に、いきり立った象徴をあてがった。
「や……っ! らぁ……っ!」
「力抜いて……、ね?」
そう言った彼は、ゆっくりとさやかに侵入していく。
「ひあっ!? うんぅぅっ!?」
括約筋を不随意に押し広げられた彼は、声ともならない声を出した。
「ほーら、舌動かして」
健は、前がお留守になっているさやかを諌めるように腰を前後させた。 さやかは喉の奥を突かれたので、反射で舌が上がった。
「んぐっ! おほっ! あふっ!」
咳で力が入った彼の菊門は、きゅうきゅうと卓也のモノを締め付けた。
「うぁっ、いいぞ……っ!」
背後で腰を振る卓也。
「舌が絡んで……、くっ、うまいぞっ!」
目の前には舐められてよがっている健。
あたりは、粘性を持った液体を伴う摩擦音に支配された。
「俺……もうそろそろかも」
じゅぶっ、じゅぶっ、という音を鳴らしている健は、そう卓也に言った。
「オレも、だぜ……」
自身の下腹部と、さやかの臀部により、ぱすん、ぱすん、と音を鳴らしている彼も、限界に近いようだった。
「じゃあ、遠慮なく、ぶちまけるか」
そう言い、卓也は腰を振る速度を速めた。
「ほらっ! イくぞっ!」
彼がそう叫んだ瞬間、さやかは体の奥に熱いものを感じた。
「くっ……! こっちも、受け止めてくれよっ……!」
その直後、口腔内にも同様の感触があった。
他人の不随意反射を 2 か所で感じたさやかは、精液独特の味に、嚥下反射を起こした。
「ぅぇっ! えふっ! えふっ!」
それにより、彼の唇と健の象徴との隙間から、白いものがあふれ出る。
やがて両方の棒を引き抜かれた彼は、ぺたんこ座りに戻った。
「うえぇ……。 臭いよぉ……」
そう言いながらさやかは、唇の端から白い液体を流し、自身のスカートにそのシミをつけた。
その様子を見た健は歩き出した。
「ヤベぇ。 俺、まだいけるわ……」
そう言う彼のモノは、言うとおり復活して屹立していた。
「すげぇな、お前……。 くそっ、昨日さやかちゃんで抜いたからかな……」
対して、未だ復活しない自身のモノに、一抹の悔しさを感じている卓也の横を通り抜け、さやかの背後に、彼は立った。
「ほら、腰上げて」
そう言いながら彼の腹部を抱きかかえるように持ち上げ、スカートをめくった。
彼の菊門は完全に閉じてはおらず、卓也の精液が零れ落ちた。
「……ダメだ、たまらんっ!」
そう言うと、彼は一気に膨張しきった象徴をさやかにぶち込んだ。
そのモノは、さやかの奥にある、硬くて敏感なところに到達した。
「ひぎいっ!?」
彼は、思わず声を上げる。
「ふぅー……。 動かしていいかい?」
返事も聞かずに動かし始めそうな健は、申し訳程度にそう聞く。
さやかは、このあとにくるであろう快感に恐れおののきながらも、小さく首を縦に振る。
「んじゃ、遠慮なく……っ!」
彼が腰を動かし始める。
その前後動のいずれの時機でも、さやかに強い快感を与えていた。
押し込んだ時の、前立腺への刺激。
引き抜くときの、直腸壁への刺激。
少し抜けたときの、括約筋への刺激。
幾重もの快感を得ている彼は、舌をでろんと垂れ下げたまま、唾液をとめどなく溢れされている。
また、ピストン運動のせいで彼の呼吸は一定を保てずにいる。
「あぐっ! かひっ!? んぅっ! んぅ!」
腹の奥からくる刺激から、下腹部への異変となっていく。
健はさやかとつながったまま、その向きを変えた。 顔を対向にしたさやかに向かい、言う。
「キスって、したことある?」
さやかは、目をつぶって、ぶんぶん、と首を大きく横に振って否定する。
「じゃあ、ファースト キス。 俺がいただいた」
そう言って彼は、さやかと口づけをした。
そして、舌を強引に差し入れる。 彼もそれを半ばあきらめたように受け入れ、自身の舌と絡めあう。
ぴちゃ、ぴちゃ、と、キスの時間が続いた。 そのあと、さやかの体に力が入りはじめた。
「いゃっ……! な、んか……っ!」
彼にとっては窮状を訴えたつもりである。 だが、健の腰の動きは止まるどころか激しさを増す一方である。
「き……、きちゃ、う……っ」
ごりっ、という音が、彼の中で聞こえた。
「んらめぇぇぇぇっ!」
思わず叫んだその瞬間、さやかの、膨張すらしていないモノから透明な液体が飛び出した。
「くぅっ……!」
その様子を見た健も、耐えきれずに射精する。
どくん、どくん、と、二人違ったタイミングで痙攣する。 さやかの不随意反射により、すっかり搾り取られた健は、そっと彼からモノを引き抜いた。
背中を支持していた手を離すと、彼はくてん、と膝だけ立てた格好で倒れた。
いままで接合していた口からは、くぷっ、という音とともに白濁液が滴り落ちている。
その彼の顔は、うつろな目で口は半開きである。
「ふぅ……。 ひさびさに、よかったよ」
健はそう言い、ズボンを履いた。 そして、さやかと顔を近づけて、ぱしぱしと頬を軽く叩く。
「じゃ、早く帰れよ。 こんなところ見つかったら大変だ。 ……お互いね」
彼は、無表情でうなずいた。
健と卓也は、さやかがなかなか復活しない様子に後ろ髪を引かれたが、そのまま森を出て行った。

・ ・ ・ ・ ・ ・

とある公園。 夜の帳はとっくに下りたころ。
森の中にたたずむ、怪しい影がある。
その影に対して、別の影が近づく。
「やあ。 また、会ったね」
散歩中であることを装っている、ベンチに座っている影をつくっている人物は、顔を上げた。
高校の女子用制服を纏った彼は、声のもとに向かって照れくさそうに軽く会釈をした。

 

 

 

// あとがき
こんばんわ (現在 2 時 52 分)。 リメイク 2 回目です。
えーっと、これは 6 年前の自分への挑戦となりますねw
おいっ! 6 年前の自分! レベル アップっていうのはファイル サイズだけじゃないぞ。 こういうのをレベル アップっていうんだよ!! (ドヤァァァァァ)
……実は、ウェブ サイトの整理のために読んだリメイク元のあとがきで、表現が足りないとか言ってた自分が恥ずかしくなりましてね。 お前が言うな、と。
そういう思いでリメイクした次第であります。
前作ですか? いやぁっ! 見ちゃらめぇっ! とでも言っておきましょうか。 はい、ここで前作へのリンクですよー。
さらにまた、同じ作品を、数年後に書き直さずにイチから書いてみたらどうなるんだろう、っていう思いもありました。
ちなみに、作品の要素は以下を必ず含めるポリシーでいます。
 ・夜の公園の森の中
 ・少年はオナニーをする
 ・森を出ようとすると「そこの、きみっ!」という声をかけられる
 ・上記の声の主がホモ。 そして、少年の「ヤバい、ホモだ」のセリフ、または考え。
しかしやっぱり、エロ表現は難しいですね。 今回は擬音を多く用いていますが、あんまりいい技法ではないように感じています。
……官能小説でも読んでみるかな?w
ま、こんなもんで勘弁してくださいな。
次は何年後のリメイクになるんでしょうかね?w

2011/12/10 3:02 ピースケ@Piskesoft
       ↑あとがき書いてるうちに 10 分経ちましたw

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